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  • ブラジリアン柔術の道場を開業する【準備編】その2

    テナント物件契約のタイミング

    準備編その1でもお話したように、物件はすぐに契約してはならない。

    必要な資金を用意できるかどうかもわからないうちに契約してしまうのはリスクだ。

    やはり資金の目途が立ってから契約するべきだろう。

    理想的なのは融資の許可がおりてから、物件の契約をするという流れだ。

    私はというと・・・この理想的なタイミングにはならなかった。できればそうしたかったけど、融資面談の前に物件の契約をした。

    なぜそうなったのかをこれからお話していく。

    創業計画書には具体的な数字が必要

    資金調達の第一候補は日本政策金融公庫の創業融資となる。

    事業の経験があり、すでにお付き合いしている金融機関があれば話は別だが、事業経験がなく初めて開業する個人事業主の場合は日本政策金融公庫が一番融資をしてくれる可能性が高い。

    融資を受けるためには創業計画書を提出しなければならない。

    計画書の様式は公庫のサイトからダウンロードできるし、記載例も示されている。

    頑張って計画書を作成していくと、ある事実に気づく。

    具体的な数字が必要なのだ。

    内装費用の見積もり。ロールマットの見積もり。既に支払った費用の領収書など。

    ようは本気で開業しようとしている意志を確認されているのだ。

    具体的な計画・数字がないと金融機関は融資してくれない。そりゃそうだ。

    具体的な数字を算出するために、物件を契約していないことがネックになってきた。テナント内部の寸法を詳細に測ることができないので、詳細な内装費用も見積もれないのだ。

    フリーレント期間に開業準備

    テナント物件の管理会社が言うには、契約をしてもフリーレント期間(タダで借りれる期間)を設定できるので、その期間で内装工事などいろいろと準備するのが一般的だと。

    まぁこれは早く仲介手数料をいただきたい管理会社がいいように言っている面もあるかもしれないが、一理あるなとも思った。

    実際に、内装の詳細も決められないから、創業計画書の作成も進まないし、準備が全然進められない。

    私の場合、事業資金の3割以上の自己資金も用意できているので、融資がおりる可能性も高いだろう。

    総合的に考えて、融資の前に契約しても問題ないだろうと判断。テナント物件を契約した。

    フリーレント期間は3か月間。この間は家賃はかからない。
    この期間中に内装の詳細の打ち合わせ、資金の調達、内装工事、看板設置、備品購入、Webサイトの作成、マットの発注・設置と開業準備を進めていく。

    もし、自己資金がなかったら

    もし自己資金をほとんど用意していなくて、事業資金のほとんどを融資に頼る場合だったら、私はテナント物件の契約を急がなかっただろう。

    まず融資がおりる可能性が下がるし、物件取得費を捻出できたとしても後が続かない。

    物件は取得しました。でも融資がおりなかったので、道場をオープンすることができませんでしたとなってしまうと本当に笑えない。

    物件取得費だけで100万円かかるので、それをドブに捨てるのはもったいなすぎる。

    融資がおりる確率を高めるために計画を縮小して、自分のやりたかったことをどんどん捨てていくのも本意ではない。

    こう考えると自己資金を用意しないで開業するというのはデメリットだらけだ。

    将来、道場を開きたいなと考えているなら少しずつでも資金を貯めていくべきだ。

  • ブラジリアン柔術の道場を開業する【準備編】その1

    物件探し

    道場を開きたいと思ったら、何から進めればいいのか。

    まずはなんといっても物件探しだろう。物件のメドが立たないと計画の進めようがない。

    Googleで「地域名 テナント 賃貸」と検索して、たくさん出てくる賃貸情報サイトをくまなく見ていく。

    広さと家賃の条件が合うテナントを見つけたら、マットスペースをこれぐらいにして、更衣室はこのあたりで・・・と楽しい妄想をしていく。

    私の場合、気になったテナントはスケルトンの状態だった。壁や床がコンクリート剝き出しで、設備も何もない状態の物件である。

    居抜き物件よりは当然 内装工事の費用は多くかかるが、自分の理想とするデザインで道場をするならスケルトンのほうが有利だ。

    何より新しくておしゃれな道場のほうが集客もしやすい。

    などなど自分を納得させる理由をいくつか挙げていく。十分に納得できたら次の段階に移る。

    物件の内見

    物件の管理会社(不動産仲介業者)にさっそく連絡を入れ、内見の申し込みをする。

    ここでブラジリアン柔術の道場をするための物件を探していると伝える。打撃がなく寝技主体の格闘技であることも同時に伝える。厚めのマットを設置すれば、振動や騒音もそれほどないと説明する。

    格闘技道場はNGと言われてしまうと物件の内見にすら進めない。そのためにきちんと説明しておく。

    問題なく内見OKの連絡をもらった。

    ちなみに私の気になった物件は、自分の家から徒歩10分でマンションの1階、広さ108㎡のテナントだ。

    隣がピザハット、2階は公文の教室と住居、3階は住居のみ。

    これらの条件を踏まえて、内見の日までに聞きたいことを整理しておく。

    • 看板は建物外側のどのあたりまで設置していいか
    • 営業時間は朝早くから夜遅くまで設定してもいいか
    • 駐車場は家賃に含まれるのか(不動産情報サイトに書いてあったけど一応確認)

    実際に内見をし、こちらの希望通りの物件であることを確認できた。物件オーナーの反応も良かった。

    なのですぐに契約・・・という流れにはならない。

    資金計画を立てなければならない。先立つものがなければ道場を開くことはできない。焦ってすぐに物件の契約をしてしまうのはNGだ。

    資金計画を立てる

    いくらぐらいあれば道場を開くことができるのか。概算で計算していく。

    まず最も大きな費用である内装費用。
    ネットで調べるとスケルトンから内装する場合は、1坪あたり30万円~50万円と書いてある。

    今回の物件は32.7坪なので、約980万円~1600万円ということになる。

    1600万円は高過ぎる。それに道場の内装はシンプルなので安くなると予想。なので1000万円程度と見積もる。

    次に大きな出費になりそうなのがマット代。

    柔術ロールマット販売「FIGHTERS SPIRITS」 におおよその値段が書いてあった。

    床マットと壁マットを合わせて100㎡近くになりそうで、かつ輸送費のことも考えると、100万円は見積もっていたほうがよさそうだ。

    あとは、シャワーユニット・ロッカー・受付デスクなど必要になりそうな備品の値段を調べていく。こちらも多めに見積もって100万円。

    せっかく広い道場なので、トレーニング機器も少しは導入したい。ウエイトトレーニングをするためにラックやバーベル、プレートなどなど。これも100万円程度を見積もる。

    次に物件取得費。敷金・礼金・仲介手数料・家賃1ヶ月分。これらは賃貸情報サイトに記載されている。今回の物件ではちょうど100万円程度となった。

    最後に、開業後しばらくのランニングコスト。数か月分の家賃・水道光熱費・通信費・保険代・広告費など。
    ランニングコストは特に余裕をもたせて見積もり。200万円程度とした。

    これで概算が出揃った。合計で1600万円となった。うっ・・・

    もちろんそんな大金はどこにもない。融資を受けて資金調達する必要がある。

    何年もかけて夫婦二人で貯めた貯金は500万円。今回の事業全体で必要な1600万円の約31%が自己資金ということになる。

    日本政策金融公庫の情報などを参考にすると、全体の2割から3割の自己資金があると融資を受けやすいと書いてある。

    31%なので基準をクリアしている。これはいけそうだ!
    しっかりとした事業計画書を作って、絶対に融資を引き出すぞとやる気が出てきた。